くちづけのその後で

あたしは、颯斗の事をちゃんとわかってたんかな……?


そんな事を考えても、答えなんてわかるハズが無い。


「あ……」


「何?」


「そろそろ、海斗を迎えに行かなアカン……」


時計に視線を遣りながら言うと、亜由美がサッと立ち上がった。


「じゃあ、帰るついでに保育園まで送るわ」


「うん、ありがとう♪」


あたしが笑顔を向けると、亜由美はニッコリと笑った。


程なくして家を出たあたし達は、彼女が運転する車で保育園に向かった。