くちづけのその後で

「ママ……。ごめんなしゃい……」


海斗は泣きながら、小さく言った。


「ママは怒ってへんよ。お友達にも、ちゃんと『ごめんなさい』って言える?」


「……っ、うん……」


そう訊くと、海斗はあたしを見ながら頷いた。


「じゃあ、明日は仲直り出来る?」


「うん……」


海斗は大きく頷いて、トレーナーの袖口で涙を拭いた。


「お利口さんやね♪」


ニッコリと笑うと、海斗もやっと笑顔を見せた。


あたしは、ゆっくりと口を開いた。