くちづけのその後で

「ママ!あしたは、はやとくんにあえる?」


最近、一緒にお風呂に入っていると、海斗は必ずと言ってもいい程そう訊くようになっていた。


「会われへんよ……」


あたしは、その度にいつも苦笑いで答えていた。


「なんでぇ?かいと、はやとくんとあそびたいのにぃ……」


海斗はしょんぼりしながら言って、あたしを見上げた。


「ママも颯斗君も、お仕事が忙しいねん……」


胸が痛むのを感じながらいつも通りに説明すると、海斗は頬を膨らませて黙り込んだ。