くちづけのその後で

「朱莉ちゃんやったら、もしかして颯斗から何か聞いてるかな……って思っててんけど……」


「いえ……。あたしは本当に何も……」


あたしは呟くように答えた後、唇を噛み締めながら小さく俯いた。


何で……?


付き合い始めた時は、進学したがってたやん……


理由なんて、あたしの事以外ないやん……


頭の中は、その事でいっぱいだった。


「朱莉ちゃん……?」


「あっ、すみません……」


慌てて顔を上げて、颯斗の母親を真っ直ぐ見つめた。