くちづけのその後で

「……何も聞いてへん?」


「はい……」


再度訊かれて、小さく頷いた。


あたしは、颯斗から進路の事については何も聞いていない。


付き合った当初に一度だけ彼に進路の事を訊いたら、国立大学か有名私立大学を目指しているって言っていたけど…


それ以降、その事について話す事は無かった。


もちろん気になってはいたけど、詮索するのは苦手な上に、高卒の自分(アタシ)が安易に触れてはいけない気がして、何となく訊けなかった。


颯斗の母親に、素直にそう告げた。