くちづけのその後で

颯斗の母親はあたしの緊張を解すかのように、颯斗の子供の頃の話をたくさんしてくれた。


颯斗は照れながら、それを必死に妨害しようとしている。


その和やかな雰囲気のお陰で少しずつ緊張が解れて、自然と楽しめるようになった。


海斗は大人しくしてくれていて、あたしが持って来たパウンドケーキや、颯斗の母親に出して貰ったクッキーを頬張っていた。


だけど…


颯斗の父親は口数の少ない人なのか、時々あたしや海斗に話し掛けるくらいで、後は黙って微笑んでいるだけだった。