くちづけのその後で

「なぁ、朱莉」


「ん?」


いつものように家に来ていた颯斗は、真面目な表情であたしを呼んだ。


「今週末、うち来る?」


「へっ?」


突然の事で、あたしはマヌケな声を上げてしまった。


「朱莉の事、親に紹介したいねんけど……」


「え……?でも……」


それって海斗も……?


颯斗の両親に会うとなると、どうしたって海斗の事を考えずにはいられない。


彼の両親に交際を反対されてしまうのが恐くて、どうしても頷けなかった。