くちづけのその後で

「抱いて……」


あたしの願いは、颯斗への想いと一緒に静かな部屋に零れ落ちた。


「でも、今日は……」


「誕生日が来る度に、あの日の事を思い出すのはもう嫌……」


あの時、何で芳樹を部屋に入れたん……?


誕生日が来る度にそう思って、浅はかだった自分(アタシ)を何度も恨んだ。


たった一度…。


初めての経験で、妊娠…。


海斗を憎んだ事は、一度も無い。


だけど、海斗に芳樹の面影を感じる事もあって、あの苦しみから逃れられないんだ…。