くちづけのその後で

「ん?」


あたしを見つめた颯斗は、瞳に浮かぶ涙に気付いたみたい。


「朱莉、何で泣いてんの……?」


不安げに訊く彼が、すごく愛おしい。


それだけじゃない。


色素の薄い黒い髪。


二重の瞼と、黒い瞳。


あたしに触れる指先。


優しいキスをくれる、薄い唇。


あたしの名前を呼ぶ低い声。


子供みたいに柔らかい笑顔…。


その全てがどうしようもない程に愛おしくて、すごく苦しい。


ねぇ、颯斗……