くちづけのその後で

箱を開けると、小さな赤い石が着いたピアスが入っていた。


透明感のある深い赤色の光を放っている、綺麗な石。


だけど…


箱の中に入っているピアスは、何故か一つだけ。


「……何で片方だけなん?」


あたしが小首を傾げると、颯斗はニッと笑ってから右耳を見せた。


「半分こ♪」


彼の右耳には、箱の中に入っている物と同じ赤いピアスが光っている。


「お揃いやん♪」


あたしは満面の笑みで言ってから、ピアスを取り出した。