「俺、そろそろ帰るわ……」


颯斗に言われて時計に視線を遣ると、いつの間にか22時を過ぎていた。


「明日、海斗迎えに行ったら連絡して♪俺は、保育園に行かん方がイイやろ?」


立ち上がって話した彼に、あたしは首を小さく横に振った。


「ん?俺も行ってイイ?」


「ううん、そうじゃなくて……」


「どうしたん?」


あたしは優しい笑みを浮かべた颯斗を見上げて、深呼吸してからゆっくりと口を開いた。


「今日は……帰らんといて……」