くちづけのその後で

「嫌なん?」


「うん……」


あたしが尋ねると、海斗は不安そうな表情で頷いた。


「そっか、わかった」


海斗に笑顔を向けながら頷いた後、早川さんを見る。


「……マジで?」


あたしの表情から察したのか、彼がガックリと肩を落とした。


「ごめんなさい……」


早川さんに謝りながら、内心ではすごくホッとしていた。


何とも言えないような気まずい空気が流れる中、あたし達はアパートまでの道を三人で並んで歩いた。