くちづけのその後で

映画が始まると、颯斗は真剣にスクリーンを見つめていて…


さっきの言葉とは違う彼の態度が、何だか少しだけ可笑しかった。


この映画は、在り来りな純愛物のストーリー。


だけど…


ベタな演出に弱いあたしは、始まってすぐに夢中になっていた。


ラストのシーンでは、ヒロインが恋人を想いながら流す涙に釣られて、あたしも思わず泣いてしまった。


その事に気付いた颯斗は、繋いでいた手をギュッと握ってくれて…


あたしの頬に伝う涙を、指先で優しく拭ってくれた。