くちづけのその後で

「痛っ……!」


反射的に顔をしかめると、早川さんはすぐに手を離した。


「あっ、ごめんっ……!」


「何ですか?」


戸惑いを見せた早川さんに、つい眉を潜めてしまう。


「いや……。ずっと前の事、謝りたくてさ……」


今更……?


そう思いながらも、渋々口を開いた。


「別にイイです……。じゃあ……」


言い終わるよりも早く、踵を返したけど…


「朱莉ちゃんっ!!」


早川さんは、すかさずあたしを呼び止めた。