くちづけのその後で

「こんな所で何やってるんですか?」


「朱莉ちゃんを待っててん♪」


何で……?


そう思いながらも、早川さんからの言葉を待った。


だけど…


特に用事は無いのか、早川さんは何も話そうとしない。


途端に訪れた気まずい沈黙に、あたしは耐えられなくなってしまった。


「あ、えっと……じゃあ……」


小さく言って、早川さんに背中を向ける。


「あっ、ちょっ……!待って!」


その瞬間、彼は慌てながらあたしの腕を掴んだ。