くちづけのその後で

程なくして、アパートの前に誰かが立っている事に気付いて…


「あれ……?」


自転車を漕ぎながら、目を凝らした。


すると、相手もあたしに気付いたみたい。


太陽の光が反射してよく見えないけど、あたしに手を振っている事だけはわかった。


そのうち相手が誰なのか気付いて、あたしは思わず小首を傾げてしまった。


何してるんやろ……


「よっ♪おかえり♪」


アパートの前に着くと、さっきまで手を振っていた男の人が満面の笑みで言った。