くちづけのその後で

「えっ!?泊まらへんの!?」


亜由美は驚いたのか、店内に響く程の大声で言った。


「ちょっ……!亜由美!」


「あっ……!ごめん……」


周囲の視線に気付いた彼女は、気まずそうにしながら周囲のお客に頭を下げた。


「泊まらへんって……。もしかして、朱莉……」


「うん……。颯斗には、まだ言ってないねん……」


亜由美の言葉を遮ると、彼女は困惑した表情を見せた。


「そっか……」


あたしは眉を寄せながら小さく笑って、口を開いた。