くちづけのその後で

保育園までの道を早川さんと歩くと言う奇妙な状態の間は、何度も気まずい沈黙が訪れた。


「あの……一緒に行くと目立つんで、ここで待ってて下さい」


「俺は目立ってもええよ♪」


頃合いを見計らって控えめに告げたあたしに、早川さんがニッコリと笑った。


あたしが困るんやけど……


「一緒に行ったら海斗がビックリすると思うんで、ここにいて下さい」


あたしは呆れながらも何とか早川さんに承諾して貰って、保育園の近くからは一人で海斗を迎えに行った。