くちづけのその後で

「良かったやん♪」


話を聞いた亜由美が、満面に笑みを浮かべた。


「じゃあ、あたしは今年の誕生日は行かへんからね」


「えっ?何で?」


「いやいや、何でって……」


亜由美はため息混じりに言って、呆れたように笑った。


「颯斗君と一緒なのがわかってるのに、行かれへんやん!」


「あっ、そっか……」


亜由美はあたしの誕生日には、毎年必ず家に来てくれる。


だから当然、今年も誕生日には彼女に会えるんだと思い込んでいた。