くちづけのその後で

 − ……ポーン……ピンポーン♪


インターホンの音で目を覚ましたあたしは、寝ぼけ眼で時計を見た。


「12時過ぎてるやん……」


小さく呟きながら重い体を起こして、インターホンに出る。


「……はい」


「あっ、俺やけど……。ごめん、寝てた?」


「早川さん……?」


掠れ声のあたしに言葉を返したのは、早川さんだった。


「ちょっと出て来れる?」


彼が来た事を不思議に思いながら、玄関のドアを開けた。