くちづけのその後で

西本君は小さくため息をついてから、あたしの手にそっと触れた。


その途端、体がビクリと強張った。


「朱莉……。顔上げて……」


その言葉に、あたしは必死に首を横に振った。


「ちゃんと俺を見ろ……」


急に命令口調になった西本君の事が、少しだけ恐くなって…


仕方なく覚悟を決めて顔を上げ、恐る恐る彼を見た。


だけど…


さっきの口調とは裏腹に、西本君は優しい笑みを浮かべていた。


あたしが視線を合わせると、彼が口を開いた。