「あっ、はやとくん!」


「おっ!海斗♪」


西本君を部屋に招き入れると、海斗が嬉しそうに彼に抱き着いた。


「何飲む?」


「お任せで♪」


「わかった。じゃあ、適当に座ってて」


キッチンに行って冷蔵庫からオレンジジュースを取り出し、氷を入れたグラスに注いだ。


さっきまでは忘れていた緊張感が、また蘇って来る。


もう、迷わへんもん……


それでも心にそう決めたあたしは、ゆっくりと深呼吸をしてからジュースを運んだ。