くちづけのその後で

ほんの少しだけ泣いた後、あたしは手の甲で涙を拭き取ってから海斗に笑顔を向けた。


「海斗!亜由美ちゃんがケーキ持って来てくれたから、食べよっか♪」


「あゆみちゃん……?」


まだ寝ぼけ気味の海斗は、不思議そうにしながら小首を傾げた。


「海斗♪亜由美ちゃんの事、忘れたん?」


「あっ!」


亜由美が悪戯っぽい笑顔で言うと、彼女に気付いた海斗が嬉しそうに笑った。


「あゆみちゃん!」


海斗はあたしから離れると、亜由美に抱き着いた。