くちづけのその後で

亜由美は、くっきりとした二重の瞳であたしの瞳を真っ直ぐ見つめながら、ゆっくりと口を開いた。


「こら!はぐらかすのは禁止やからね!朱莉はあたしに聞いて欲しい事があったから、わざわざ電話して来たんやろ?あたしの前では素直になりなさい」


厳しさを見せた表情とは裏腹の優しい彼女の声が、あたしの耳の奥まで届く。


「言ってみ?」


「うん……」


だけど、自分でも何を話したいのかよくわからなくて…


次に繋げる言葉が、頭の中に浮かんで来なかった。