くちづけのその後で

「あしょぼーってばぁ!」


あたしは、ドンドンと足踏みをする海斗を抱き上げた。


「静かにしないと、また下の人に怒られるよ?」


下の住人には、海斗が小さい頃には夜泣きで怒られた。


つい最近は、『子供の足音が煩い』って注意されたばかり。


「いやぁー!ママとあしょぶの!」


どれだけ宥めても、海斗は頑なに首を横に振り続ける。


「ご飯食べたら遊ぼ♪」


それでも根気良く宥めているうちに、海斗は渋々と言う感じで頷いてくれた。