くちづけのその後で

「朱莉さんの話聞いてるとさ……。世間体とかばっかり気にしてて、自分の気持ちに正直じゃないような気がするねんな……」


違う……


そう言いたい。


だけど…


声に出して言えないのは、西本君の言葉が間違っていないと自分自身でもわかっているから…。


「子供がおるから、それは仕方ない事なんかもしれんけど……。俺は、もっと別の理由があるような気がする」


「え……?」


“別の理由”……


西本君が発した言葉が、あたしを緊張させた。