くちづけのその後で

「でも……」


温もりに気付かない振りをして、話を続ける。


「もし、あたしが自分の事を話したとしても、西本君と付き合ったりは出来ひんから……」


あたしは、囁きにも似た声音で呟いた。


冷たく言い放つ事が出来なかったのは、本当はこんな風に西本君の事を拒絶したくは無かったから…。


少なくとも、あたしの心は何度も彼にときめいていた。


それが“恋”なのかどうかは、よくわからない。


だけど…


あたしが西本君に対して少しも好意を持っていないと言えば、きっと嘘になってしまう気がするから…。