くちづけのその後で

「ちゃむいー!」


「寒いね!風邪ひいたらアカンし、早く帰ろ」


スーパーを後にしたあたしは、寒がる海斗を宥めながら急いで自転車を漕いだ。


数分で着いたアパートの駐輪場に自転車を停めて、寒さで頬を真っ赤にした海斗を降ろす。


アパートの階段を上がると、早川さんが歩いて来た。


「おかえり♪」


彼はタバコを片手にそう言った後、あたしに笑顔を向けた。


「こんばんは……」


小さく言いながら頭を下げると、早川さんが嬉しそうに笑った。