くちづけのその後で

「ほら、行くで♪」


「えっ!?」


西本君は笑顔で言うと、驚いているあたしの手を引いて歩き出した。


澄んだ夜空には蜂蜜色の三日月が昇っていて、幾つかの小さな星が輝いている。


「こっちでイイ?」


「う、うん……」


「朱莉さん、ナビしてな♪」


「うん……」


まだ戸惑っているあたしは、西本君に話し掛けられても頷く事しか出来なくて…


結局、彼に言われるがまま綺麗な夜空の下を歩き続け、家までの道を案内してしまった。