くちづけのその後で

電車を降りたあたし達は、人混みに流されるように改札を出た。


「今日はありがと」


お礼を言ってから、西本君の腕の中にいる海斗を抱こうとした時…


「なぁ……」


彼が、あたしを見ながら控えめに口を開いた。


「朱莉さんが嫌じゃなかったら、家まで送るわ!」


「え?」


突然の言葉に、あたしはしばらく戸惑っていた。


「今までみたいにすぐに否定せぇへんって事は、送ってもイイって事やんな?」


すると、西本君は勝手にそんな解釈をした。