くちづけのその後で

「うん……。あたしも信じてみる♪」


あたしの言葉に、西本君が笑顔で頷いた。


「ありがと……」


それから呟くようにお礼を零すと、彼は悪戯っぽく笑った。


「俺に惚れた?」


「そんなんで惚れへんし!」


「じゃあ、惚れてや♪」


「嫌!」


「冷たいな〜」


あたし達は、そんなやり取りをしながら駅に向かった。


西本君には、素直に言う事は出来なかったけど…


あたしは、彼の優しい言葉にすごく救われていた。