くちづけのその後で

「西本君、ありがと……」


涙を堪えながら笑顔を向けたあたしに、西本君がフッと笑った。


「『絶対見付けたる』って言ったやろ♪」


彼は満面に笑みを浮かべて、得意気に言った。


「うんっ……!ありがとっ……!」


あたしがもう一度お礼を言うと、西本君がニッと笑った。


「パパやからな♪」


海斗が無事だったからなのか、西本君への感謝の気持ちからなのか…


あたしは彼の冗談めかした言葉に反論もせず、自然と笑みを零していた。