くちづけのその後で

「マ、ママー!」


突然聞こえて来た声に反応したあたしは、弾かれたように振り返った。


視線の先には、笑顔の西本君と彼に抱っこされた海斗がいて…


「海斗!」


涙が浮かぶのを感じながら、二人の元に走り寄った。


「海斗……」


「ママ〜!……ごめんなしゃいっ……!」


海斗は泣きながら言って、あたしに腕を伸ばした。


「無事で良かったぁ……。ママもごめんね……」


あたしは海斗を抱っこして、ギュッと抱き締めた。