くちづけのその後で

「……あ〜、そんな顔せんといて!ごめん!」


早川さんはバツが悪そうに頭を掻きながら、あたしを見た。


「まぁ隣に住んでるんやし、仲良くしようや♪」


どこか軽々しい発言をした彼に戸惑いながらも、頭を下げる。


「あの、急ぐんで……。ごめんなさい……」


「あっ、そっか!じゃあ、行ってらっしゃい!海斗君もばいばい♪」


「あ、はい……」


「ばいばーい!」


満面の笑みで手を振る早川さんを見て、海斗も笑顔で手を振り返した。