くちづけのその後で

「二択とかずるいし!」


あたしが怒ると、西本君はバツが悪そうな表情で頭を掻いた。


「ごめん……」


彼から小さく零れた言葉が、胸の奥に痛いくらい響いて…


何故か、心に傷を負ったかのような錯覚に陥った。


素直に謝られた事で、どうすればいいのかわからなくなる。


「ううん……」


それでも、咄嗟に首を小さく横に振っていた。


「あ〜……。俺、ちょっとトイレ行って来るわ!」


西本君はそれだけ告げて、ベンチから離れた。