くちづけのその後で

昼食は園内にあるファーストフード店で買って、店の近くのベンチで食べた。


冬の終わりを告げるかのような、暖かい陽気。


海斗の愛らしい笑顔とポカポカの陽だまりが、あたしの中に僅(ワズ)かに残っていた憂鬱を優しく包み込んでくれた。


先に昼食を食べ終えた海斗は、楽しそうに笑いながら鳩を追い掛け回している。


「ママー!とりちゃん!」


「うん、ほんまやね。でも、あんまり遠くに行ったらアカンよ!」


海斗に注意をした後、隣にいる西本君をチラッと見た。