くちづけのその後で

「もしかして、朱莉さんも遊園地は初めてとか?」


西本君は、あたしを見ながら控えめに訊いた。


「ううん。まぁ、めっちゃ久しぶりやけどね……」


あたしは首を横に振った後、苦笑したまま答えた。


「そっか」


西本君はニッと笑ったかと思うと、あたしからガイドマップを取り上げた。


「じゃ、今日は徹底的に遊びまくるからな♪こんなんアテにせんと、乗れるやつは全部乗ったらイイやん!」


笑顔で海斗を抱っこした彼が、あたしの手を軽く掴んで足早に歩き出した。