くちづけのその後で

「まぁ、それもあるけど……。俺も行きたかったから!しかも、これがあるしな♪」


西本君は得意気に言った後、ポケットに入れていた財布からチケットを取り出した。


「それ、どうしたん?」


あたしが訊くと、彼が満面に笑みを浮かべた。


「ちゃんと仕事頑張ってる俺に、バイト先の店長がくれてん♪」


「へぇ……」


「朱莉さんの分もあるし、海斗はタダやからめっちゃラッキーやろ?」


西本君は笑顔を見せ、あたしにチケットを一枚差し出した。