くちづけのその後で

「そうかもしれんけど……」


「“そうかもしれん”じゃなくて、そうやねん」


あたしは、納得してくれない西本君を諭すように言って、ため息をついた。


「でも、知りたいねん……」


「内緒♪それに西本君には関係ない事やのに、そんな事知ってどうするん?」


深刻な雰囲気になりたくなくて、とにかく軽い口調で躱(カワ)し続ける。


「俺的には関係あるねん!」


「何で?」


力強く断言した西本君に、すかさず冷たく返した。