くちづけのその後で

あたしが作った物は、卵焼きやタコさんウインナーなんかの定番のおかずばかり。


お弁当って言っても、海斗向けの簡単な物だった。


それでも、嬉しそうに食べてくれた西本君を見ていたら、作って良かったと思えたけど…


「あたしは、別に完璧じゃないよ」


そこだけはどうしても否定しておきたくて、苦笑しながら呟いた。


「そう?」


「うん、全然!」


「じゃあ、努力家なんやな♪」


西本君は間髪を入れずに言って、あたしに笑顔を向けた。