くちづけのその後で

「ママ!」


ベンチから立ち上がると、海斗があたしの手を掴んだ。


「どうしたん?」


視線を下げると、海斗はあたしが持っている紙袋を指差した。


「おべんとー!」


「へっ!?」


海斗の言葉に慌てて、思わず紙袋を自分の後ろに隠す。


「それ、弁当なん!?」


西本君は目を見開きながら、あたしを見た。


「違っ……!」


「うん、おべんとー♪」


あたしが否定する前に、海斗が笑顔で頷いてしまった。