くちづけのその後で

昼前になっても、西本君は現れなくて…


すっかり砂遊びに飽きてしまった海斗と一緒に、今度は滑り台で遊んでいた。


「海斗、もういっぱい遊んだし、そろそろ帰ろっか?」


「いやっ!!」


「でも、お腹空いてへん?」


「いや!あしょぶ!」


あたしが何度尋ねても、海斗は首を横に振って帰る事を拒んでいた。


正直、あたしはもう帰りたかったけど…


海斗の気が済むまで遊んであげたくて、砂場の方に走って行った海斗の後を慌てて追った。