くちづけのその後で

「もうすぐねんねやから、ちょっとだけやで?」


あたしがそう言うと、海斗がローテーブルの前に座った。


「はい♪」


コップを差し出すと、海斗は嬉しそうな表情で受け取って、ジュースを飲み始めた。


「ママは?」


「海斗が全部飲んでイイよ」


優しく答えたあたしに、海斗がコップを差し出した。


「ママ、あげる!」


「海斗は優しいね♪ありがとう」


笑顔でお礼を言ってから、一口だけジュースを飲んだ。