くちづけのその後で

「あの……もしかして、ずっとあそこで待ってたんですか?」


頭で考えるよりも先に、そう訊いてしまっていた。


西本君の顔を見ながら、返事を待っていると…


「すみません……」


バツが悪そうな表情をした彼が、小さく謝った。


西本君に苦手意識を持っていたのは事実だけど、別に彼を責めるつもりは無い。


「待ち伏せするなんて……普通にキモイですよね……」


西本君が呟くように落とした言葉は、大通りを行き交う車によってすぐに掻き消されてしまった。