カミサン伝説「山手線編ドバイバージョン」

 がっかりしてる女の横に、

 今度はごく普通の女が座ってきた。

 女は

 「何かこの席臭いですね」

と座ってすぐに話しかけてきた。

 女は

 「ああさっきまで座っていた男の人のニオイでしょう」

とめんどくさそうに答えた。

 すると、
 隣に座ってきた女は目を輝かせて

「どんな男でした」

とさらに訊いてきたので、

 女は

 「なんか臭くて化け物のような男でしたよ」と、

 正直に答えてしまった。

 「なんか変な質問されませんでした」

とその女の目がさらに鋭くなったので、

 女はもしかしたら、

 この女はカミサン伝説に詳しいかもしれないと思い

正直にすべてを話した。

 隣の女は

 「残念ねえ、せっかくカミサンに巡り会えたのにねえ。

 まあ、最後に話しかけなければ、

大金持ちになれたわよ。

 多分、

そのくらいなら死ぬことはないでしょうけど、

怪我ぐらいは覚悟しないとね。

 とにかく、事故には気をつけなさい」

というとにやりと笑って、

席を立つとどこかへ行ってしまった。

 実は、女は現在失業中だったので、

時間を潰すために山手線にのっていただけだったのが、

 さっきの女の話を聞いて落ち込むどころか怖くなっていた。