始発電車の時間になって、村松さんは帰って行った。



エリコ……

エリコはどうしてしまったのだろう。


臭いママの死んだホテルにいたエリコ。

クリスマスイブの日。

郊外の駅で、ダッシュで逃げて行ったエリコ。

あの日、どうしてエリコはあそこにいたのだろう。

明日、エリコの実家に電話をしてみよう。

私はそう思った。

このまま、何度携帯電話にかけても、出てもらえそうにない。

何回も着信を残しているのに、コールバックがないのは、私と連絡をとりたくないからとしか考えられない。

実家に電話をしたら、誰かしら出るだろう。

もしかしたら本人が出るかもしれない。

実家の電話番号は、1号店のアルバイト用のファイルを調べればすぐわかるだろう。

今そのファイルを管理しているのはヒトシだ。

頼めば、すぐに調べてもらえそうだ。

私は、ヒトシにメールを入れると、眠りについた。

もう外は明るくなりはじめている。

こんな夜更かしをするのは久々だった。