「あぁ。行ったことがあるのか。それなら、2号店のひどさは良くわかってるね。あそこはひどい。まずい、まがいもの、間が悪い、の3Мだ。スリーエム。おまけに、くさい、きたない、格好悪いの3Κだ。あ。ウチは違うから安心してね」


吉井店長は、ただ悪口を言いたかっただけのようだ。

安堵と同時に、体の奥から怒りがこみあげてくるのを感じた。


ここで怒ってはいけないのは解っていた。

2号店の繁栄のために、私はここに来たのだ。


私は最高の笑顔を作り、言った。


「本当。2号店は臭いがきついですね」


吉井店長は満面の笑みを浮かべた。

私の採用が決定した瞬間だった。