その晩、私は、小さな金色のベルを見ながら、眠りについた。

クリスマスイブにヒトシにご馳走してもらったケーキに付いていた、飾りのベルだ。

クリスマスにうちに来て以来、ヒトシからは連絡がない。

死んだ先輩の話を姉に聞いて、なんだか私も淋しくなってしまった。

彼女は孤独だったのだろう。

きっと、支えてくれる人も恋人もいなくて、仕方なく体を売ったのだ。

こんな夜は、ヒトシにそばにいて欲しかった。


ちりりん。

と、小さなベルが鳴る。

小さいけれど、凝った作りだ。



会いたい。

ヒトシに会いたい。

私は、ベルを握りしめたまま、いつのまにか眠ってしまっていた。