観覧車のイルミネーションが美しい、いつもの場所。

ヒトシと私は、ホットウーロン茶を飲みながら、恒例となった報告会をしていた。


「それで、ロッカーには何があったんだ?」

ヒトシが言う。

「盗まれたヨッチーの服と、テプラの替えテープです」

「誰かがエリコのロッカーに入れたとは思わなかったのかな」


「ヨッチー、普通じゃなかったから」

「君の計画の甘さはひどいものだが、悪運だけは強いな」

「てへへ。そうですか」


「ほめてるわけじゃないぞ」

「まあ、そんな感じで、ヨッチーはエリコが嫌がらせの犯人だと思ったわけです」

「それから、どうなったんだ」


ヨッチーがエリコのロッカーを開けた後は大惨事だった。

ヨッチーがエリコに殴りかかり、止めに入った老店長が投げ飛ばされて腰を打ち、病院に運ばれる騒ぎになった。

エリコはショックで仕事どころではなくるし、ヨッチーはそのままどこかに逃走してしまった。

1号店は、普段より3時間も早く閉店せざるを得なくなった。

その話をすると、ヒトシは嬉しそうにガッツポーズをした。