おにぎり丼。

朝、起きて、プールでひと泳ぎすると、私は、バスに乗って、ゴムの加工工場へ向かった。


バスの隣の席に、変なオカマが座っていて、大変だった。


タイのオカマは綺麗だと聞いて期待していたが、このオカマは、まさに期待はずれだった。


もっさりとした黒髪で、サングラスをかけ、真っ赤な口紅で大きく唇を描いていた。



男がブラジャーだけ付けました。というような妙な胸で、ミニスカートからのぞく足には、もっさりとすね毛が生えていた。


ノースリーブのブラウスからは、腋毛もばっちり出ていたし、腕は、妙にたくましかった。

私が最も驚いたのは、そのオカマに、あごひげが生えていたことだ。


オカマというものは、女性らしくあるために、毛抜きでひげを1本1本抜い

たり、レーザー脱毛をすると聞いたことがある。

普通の男だったら、ワイルドで良い感じの生やし方なのかもしれない。




しかし、オカマだ。





もう少し、トータルコーディネートに気を使って欲しい。



そのオカマが、なにやら、私に小さな声で、話しかけてくるのだ。


サワディー、サワディー

コップクンカー、コップクンカー、

と、何度も言っているので、持っていたガイドブックで調べてみると、


『こんにちは』

『ありがとう』

という意味だった。


意味がわからない。